「退職したいけど、どう切り出せばいいかわからない…」そんな悩みを抱えている先生は少なくありません。一般企業であれば退職届を出せば済む話ですが、医師の場合はそう単純にはいかないケースが多いです。
特に医局に所属している先生の場合、教授や医局長との人間関係、後任の確保、紹介先への影響など、退職に伴うステークホルダーが多いのが医療業界の特徴です。引き止めに遭うことも珍しくなく、退職を言い出してから実際に辞められるまでに半年〜1年かかることもあります。
しかし、退職は労働者に認められた正当な権利です。民法627条では、雇用期間の定めがない場合、退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば雇用契約は終了すると定められています。法律上は引き留めに応じる義務はありません。
とはいえ、法的には辞められても、関係がこじれた状態で退職すると、今後のキャリアに影を落とす可能性があります。この記事では、円満に退職するための具体的な方法を解説します。

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医師転職ドットコムの公式サイトはこちら円満退職を実現するための5つのステップ
医師が円満に退職するために押さえるべき手順を、5つのステップで解説します。
ステップ1:退職の意思を固める
最も大切なのは、退職の意思を明確にすることです。「辞めようかな…でもまだ…」と中途半端な状態で上司に相談すると、説得されて元に戻ってしまうことがあります。退職の理由と今後のキャリアプランを自分の中で整理してから動くことが、ブレないための第一歩です。
ステップ2:退職時期を決める
医師の退職では、タイミングが極めて重要です。
- 退職の意向は少なくとも3〜6か月前に伝えるのが一般的
- 大学病院や医局の場合は、半年〜1年前に申し出るのが暗黙のルール
- 年度末(3月末)の退職が最も一般的で、後任の確保もしやすい
- ボーナス支給後(7月・12月)の退職も多い
早めに伝えるほど、後任の準備や引き継ぎに余裕が生まれ、円満退職の可能性が高まります。
ステップ3:直属の上司に退職の意思を伝える
退職を伝える相手は、まず直属の上司(医局長・診療部長など)です。いきなり院長や人事に話を持っていくと、上司のメンツを潰すことになり、関係がこじれる原因になります。
伝える際のポイントは以下の通りです。
- 個室など落ち着いた場所で、対面で伝える
- 退職理由はポジティブに伝える(「キャリアアップのため」「家庭の事情で」など)
- 現職への不満を並べない(関係悪化の原因になる)
- 具体的な退職日の希望を提示する
- 引き継ぎに協力する姿勢を見せる

ステップ4:退職届を提出する
口頭で退職の合意を得たら、正式に退職届を提出します。退職願と退職届の違いは以下の通りです。
| 種類 | 性質 | 使うタイミング |
|---|---|---|
| 退職願 | 退職の意思を「お願い」するもの(撤回可能) | まだ合意を得ていない段階 |
| 退職届 | 退職の意思を「届け出る」もの(原則撤回不可) | 口頭で合意を得た後 |
退職届の書き方に特別なルールはありませんが、「一身上の都合により」という定型文を使い、退職日を明記するのが一般的です。施設によっては所定のフォーマットがある場合もあるので、人事部門に確認しましょう。
ステップ5:引き継ぎと挨拶を丁寧に行う
退職日が決まったら、残りの期間で引き継ぎを漏れなく行うことが円満退職のカギです。具体的には以下を準備します。
- 担当患者のサマリー作成と申し送り
- 業務マニュアルや手順書の整備
- 関係部署やコメディカルへの挨拶
- 連携先の医療機関への連絡
引き継ぎが丁寧であればあるほど、「あの先生は最後まで責任を持ってくれた」という印象が残り、退職後のネットワークにもプラスに働きます。
引き止めに遭った場合の対処法
医師の退職では、引き止めに遭うことが多いです。代表的なパターンと対処法を解説します。
パターン1:「後任が見つかるまで待ってほしい」
最もよくある引き止めパターンです。誠意を見せるために一定期間は応じるのも一つの手ですが、「いつまで」という期限を明確に設定することが重要です。期限を設けないと、ずるずると退職日が延びてしまいます。
パターン2:「年収を上げるから残ってほしい」
待遇改善を提示される場合もありますが、退職を決意した根本の理由が解消されない限り、条件アップで残っても再び辞めたくなる可能性が高いです。冷静に判断しましょう。
パターン3:「辞めたら医局に戻れなくなるぞ」
脅し文句のように聞こえますが、法的に退職を止める権限は誰にもありません。ただし、医局との関係を完全に断ち切ることに不安がある場合は、穏便に「ご迷惑をおかけしますが、決意は変わりません」と冷静に伝えましょう。
退職の意思を上司が取り合ってくれない場合は、上位の管理者や人事部門に相談する方法もあります。それでも解決しない場合は、労働基準監督署への相談や退職代行サービスの利用も選択肢に入ります。

退職時に忘れがちな手続きリスト
退職が決まったら、以下の手続きを忘れずに行いましょう。
- 健康保険証の返却と切り替え手続き
- 退職金・未払い残業代の確認
- 源泉徴収票の受け取り
- 雇用保険被保険者証の受け取り
- 年金手帳(基礎年金番号通知書)の確認
- 医師賠償責任保険の切り替え・継続確認
- 学会関連の登録施設変更
- 医師免許に関する届出(勤務先変更届など)
特に医師賠償責任保険の切り替えは忘れがちですが、退職日から次の勤務先の保険がカバーされるまでの空白期間が生じないよう注意が必要です。
よくある質問
Q. 退職を伝えた後、気まずくなりませんか?
退職を伝えた直後は気まずい空気が流れることもありますが、引き継ぎを丁寧に行い、最後まで責任を持って業務に取り組む姿勢を見せれば、時間とともに関係は落ち着きます。退職後に感謝の挨拶を送ることも効果的です。
Q. 転職先が決まっていない状態で退職してもいいですか?
可能ですが、おすすめはしません。転職先を決めてから退職するほうが、経済的にも精神的にも安定します。転職エージェントに登録して、在職中に求人情報を集めておきましょう。
Q. 退職代行サービスは医師でも使えますか?
使えます。退職の意思を伝えること自体が困難な場合や、パワハラ的な引き止めに遭っている場合は、退職代行サービスの利用も選択肢の一つです。弁護士が運営する退職代行であれば、法的な交渉も対応してもらえます。
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医師転職ドットコムの公式サイトはこちらまとめ:円満退職の鍵は「早めの準備」と「丁寧な引き継ぎ」
医師の円満退職は、「早めに伝えること」「ポジティブな理由を示すこと」「丁寧に引き継ぐこと」の3つが揃えば、多くの場合はうまくいきます。
退職は終わりではなく、新しいキャリアの始まりです。前の職場との関係を良好に保ったまま次のステップに進むことで、将来の人脈や紹介にもつながります。焦らず、計画的に準備を進めていきましょう。

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